第13回 ナデシコプログラム 「食がつなぐ、いのちと未来」2026 Miss SAKE 埼玉 矢作明子
皆様、こんにちは。
2026 Miss SAKE 埼玉の矢作明子です。
本日のナデシコプログラムは、以下の3つの講義で構成されました。
腸内環境について
心震える食体験を一緒に 〜FOOD GROOVE JAPAN〜/健康になる食事学
和牛・土佐あかうしについて
① 腸内環境について
テーマ:腸内環境について
講師:神楽坂乳業株式会社 代表取締役 林 和彦 様
(元 東京女子医科大学 教授・同 がんセンター長)

今回のナデシコプログラムでは、「腸内環境」をテーマに、林和彦先生よりご講義をいただきました。
林先生は、医師・教員・起業家という三つの立場を持ち、「制約のある人を社会的弱者にしない会社を目指す」という強い想いのもと、活動されています。
前半では、医師である林先生が、なぜヨーグルトづくりを始められたのか、その背景についてお話しいただきました。
15歳のときにお父様を胃がんで亡くされた経験から、人生のテーマを「がん」と定められ、がんセンター長や大学教授という立場も、「命の大切さや、がんについて知ってもらうため」に選ばれてきたというお話が、非常に印象に残りました。
日本では、国民の半数以上が一生のうちにがんになると言われています。しかし、正しい知識がなければ、予防や検査といった行動にはつながりません。
そこで重要なのが「ヘルスリテラシー」であり、健康情報を「入手・理解・評価・活用」する力が必要であることを学びました。
また、正しい情報を伝えるだけでは人は動かないため、次世代を担う子どもたちに伝える重要性から、教員としての道も選ばれたというお話が、強く心に残りました。
後半では「腸活」についてご教示いただきました。
日本食は不溶性食物繊維は比較的摂取できている一方で、水溶性食物繊維が不足しがちであること、そして善玉菌とそのエサを一緒に摂る「シンバイオティクス」が重要であることを学びました。
乳製品の摂取が、死亡率や心血管疾患、認知症リスクの低下にも関係しているという点も、非常に印象的でした。
林先生が考える腸活のゴールは、「健康な腸の状態に戻すこと」です。
現在は、働く世代のがん患者の社会復帰支援にも取り組まれており、ヨーグルトづくりを通じて雇用を生み出している点は、医療と社会をつなぐ取り組みだと感じました。
今回の講義を通して、腸内環境の大切さだけでなく、正しい知識を行動につなげることの重要性を学ぶことができました。
② 心震える食体験を一緒に〜FOOD GROOVE JAPAN〜/健康になる食事学
テーマ:食から日本を変える 〜あなたが担う次世代のウェルビーイング〜
講師:FOOD GROOVE JAPAN 代表 鈴木 基次 様

本講義では、「ウェルビーイング」と「食」を切り口に、日本の食が抱える課題と、私たち一人ひとりが担う役割について学びました。
日本の食を取り巻く現状として、食料自給率38%という「量の危機」、超加工食品やコンビニ食、ファストフードの浸透による「食の質の崩壊」が挙げられました。
「手軽さ」と「健康」がトレードオフになっている現状は、身近な問題として強く印象に残りました。
また、世代を超えて一人で食事をする「孤食」の深刻化や、子どもの貧困率11.5%という数字から、食の格差や見えない栄養不足が、成長や学習、精神面にも影響していることを学びました。
続いて紹介された「フードウェルビーイング」は、食事を通して心と身体に余白をつくり、小さな不調に気づくための大切な考え方です。
さらに、人的資本経営においても「食」は重要であり、きちんと食事ができていなければ、良いチームや組織は成り立たないという言葉が印象に残りました。
講義の後半では、Miss SAKEとしての役割についても考える時間となりました。
食・人・文化をつなぐ存在として、日本酒や発酵文化のストーリーを国内外に伝えること。
「食にはストーリーがあり、それを伝えられるのがMiss SAKEである」という言葉は、今後の活動における大きな指針となりました。
テーマ:助け合った人類だけが生き残ってきた
講師:株式会社コープニュース
代表取締役・編集者 田中 陽子 様

田中様の講義では、「助け合った人類だけが生き残ってきた」という視点から、食と人類の歴史、そして現代社会への示唆について学びました。
「食の安心・安全」は、人類最古の“協力”であるというお話がありました。
ホモ・サピエンスは集団で狩りを行い、役割を分担しながら生き延びてきた一方、ネアンデルタール人は単独での狩りが中心だったといわれています。
強さではなく「協力」が、人類の生存を分けた鍵だったという点が印象的でした。
また、「孤食」ではなく「共食」の大切さについてもお話しいただきました。
人類が子育て後も長く生きる理由は、「何が安全で、何が危険か」を次世代に伝える役割を担っているからだという考え方は、非常に示唆に富むものでした。
人類は最強だったから生き残ったのではなく、助け合い、弱さを補い合ってきたからこそ、今ここに存在している。
この言葉は、現代を生きる私たちの在り方にも深く通じるものだと感じました。
③ 和牛・土佐あかうしについて
テーマ:和牛・土佐あかうしについて
講師:高知県農業振興部 畜産振興課 課長補佐 公文 喜一 様

本講義では、牛の基礎知識から、高知県が誇る和牛「土佐あかうし」について学びました。
牛は草食動物であり、人が利用できない「草」を、ミルクや肉といった人が利用できる食料に変換する存在です。そのため、牛と人は食料で競合せず、共存してきた関係にあります。
一方で、豚や鶏は主に穀物を飼料とするため、人と食料を競合しながらも、効率よくタンパク質を供給する家畜であるという違いが印象的でした。
土佐あかうしは、高知県の風土に適した、全国的にも非常に希少な和牛です。
暑さに強い茶色の毛色、足腰が強く小回りが利くことなど、高知の自然環境に必要とされてきた牛であることがわかりました。
「かわいい・飼いやすい・病気に強い・美味しい」という特徴を持ち、愛らしい顔立ちから「顔の品位賞」を受賞したこともあるそうです。
また、「和牛」と「日本酒」の親和性についても触れられました。
日本酒は麹や酵母の力で炭水化物をアルコールに変え、牛は体内の微生物によって飼料をVFA(揮発性脂肪酸)に変換します。
どちらも微生物の力を活かした、日本ならではの食文化である点が非常に興味深かったです。
夕食では、土佐あかうしのBBQをいただきました。

実際に、お肉を捌いていただきました。
味わいは、赤身のうま味が強く、脂は控えめでさっぱりしていながら、柔らかさと噛むほどに広がるコクがとっても美味しかったです。


今回のナデシコプログラムを通して、食や腸内環境は単なる健康管理ではなく、人と人、社会、そして次世代のウェルビーイングを支える大切な基盤であることを改めて実感しました。正しい知識を知るだけでなく、それを行動につなげ、食や文化のストーリーとして伝えていくことの重要性を学んだ、非常に学びの深い時間でした。

