2025 Miss SAKE 「第13回ナデシコプログラム」〜和紙と江戸切子、伝統の“技”にふれた一日〜2025 Miss SAKE 埼玉 石﨑智子
皆様、こんにちは。
2025 Miss SAKE 埼玉 石﨑智子です。
今回は東京・日本橋にて、日本の伝統工芸を実際に体験できる貴重な一日を過ごしました。訪れたのは、和紙の老舗「小津和紙」様と、江戸切子の名工房「華硝」様。
それぞれの体験を通じて、ものづくりの奥深さや日本文化の美しさを改めて感じることができました。以下に、3つの体験をご報告いたします。
【1. 手漉き和紙体験 〜紙を「つくる」感動〜】最初に訪れたのは、創業が江戸時代という歴史を持つ「小津和紙」。
日本橋の一角にありながら、静けさと趣のある佇まいが印象的な空間でした。
小津和紙では、全国の和紙を扱うだけでなく、ギャラリーや資料館も併設されており、和紙の魅力を多角的に伝えている場所です。
最初に体験したのは、伝統的な「手漉き和紙」作り。
紙の原料となるのは、「楮(こうぞ)」という植物の皮から取れる繊維です。
これを水に溶き、さらに「ネリ」という粘性のある植物性の液体を加えることで、紙料が完成します。
まずはその紙料を水槽の中で撹拌するところからスタート。水と繊維を均一に混ぜる作業は、思っていたよりも力が必要で、これだけでも「紙づくりは体力勝負だ」と感じました。
続いて、「簀桁(すげた)」と呼ばれる道具を使って紙を漉く工程へ。紙料をすくっては流し、を何度か繰り返すことで、紙の層が少しずつ形成されていきます。力加減やタイミングで仕上がりが変わるため、ここは一際集中して取り組む必要がありました。
紙を漉いた後は脱水作業です。ここでは驚くことに、掃除機のような脱水機を使いました。伝統的な作業の中に現代の道具がさりげなく組み込まれている点も、興味深かったです。
最後に、脱水された和紙を約60度に熱した鉄板に貼りつけ、刷毛で空気を抜いて乾燥させます。すべての工程を終えると、世界に一枚だけ、自分だけの手漉き和紙が完成。希望者は、小津和紙の落款(らっかん)を押していただくこともでき、記念にもなります。
自分の手で一から紙を作るという経験は、日常ではなかなか得難く、完成品には自然と愛着がわきました。
【2. 和紙の歴史と製造工程に関する史料鑑賞(小津和紙史料館)】
和紙の制作体験を終えた後は、同施設内にある「小津史料館」へ。こちらでは、和紙の製造工程に関する展示や、和紙を使った美術作品が紹介されています。
一角には折り鶴体験もあり、紙そのものに触れることの楽しさ、自由さを感じることができました。
和紙というと伝統的で敷居が高い印象がありましたが、こうして実際に作品や道具を見ながら触れることで、身近な素材としての魅力にも気づくことができました。
【3. 江戸切子作成体験 〜ガラスに刻む、自分だけの紋様〜】
最後はガラス工芸「江戸切子」の世界へ。「江戸切子の店 華硝」にて、ぐい飲みグラスの制作体験を行いました。華硝は、洞爺湖サミットなどの国際的な舞台でも贈呈品を手がける名工房で、その繊細なカット技術と独創的な紋様は、国内外で高く評価されています。
体験内容は専用の機械で実際にガラスを削っていく作業。
初めて触れる器具に最初は戸惑いましたが、ガラスに触れるたびに生まれるカリカリという音と振動に集中するうち、少しずつコツがつかめてきました。
ガラスという繊細な素材に均等な力をかけながら模様を仕上げることは、想像以上に神経を使う作業でした。ほんの少し手元が狂えば、全体のバランスが崩れてしまうため、職人の方々が「寸分の狂いもなく」仕上げていることのすごさを、身をもって実感することができました。
模様のカットが終わったら、マーカーの下書きをスチールウールで丁寧に落として完成。
1時間程度の工程でしたが、完成したぐい飲みには、自分だけの紋様が美しく刻まれ、ガラス越しに浮かぶ光の反射がとても綺麗でした。
【まとめ】
今回の一連の体験を通して、私は日本の伝統工芸に対する見方が大きく変わりました。これまで「伝統」という言葉に、どこか遠い存在のような印象を抱いていましたが、実際に自分の手で素材に触れ、つくり手の技術を体験することで、その奥深さと魅力が「体感」として伝わってきました。
和紙も江戸切子も、それぞれに長い歴史がありますが、その魅力を支えているのは、道具や工程、そして何より職人たちの丁寧な仕事と探究心だと感じました。完成した作品の美しさもさることながら、その背景にある「手間」と「時間」、そして「心」に、私は最も感動しました。
このような機会を得られたことに深く感謝するとともに、これからも日本の伝統工芸にもっと関心を持ち、学び続けたいと思います。何気なく手に取る和紙やグラスの一つひとつにも、きっと物語が込められているはずです。
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